2011年6月7日火曜日

高らかに笑うのは誰。

よく笑う。

罵る訳でもなく。

称賛する訳でもなく。

ただ笑う。


悲しくても。

寂しくても。

苦しくても。

ただただ笑う。

瞳は赤みを帯びている。

喉は渇ききっている。

心は絶望している。


けれども笑う。


なぜかって?

笑うことしか出来ないからさ。

そう作られたからさ。


夢を描いた筈が。

絶望を描いてて。

理想を描いた筈が。

現実を描いてて。


深紅の塗料は時間と共に漆黒へと変わっていく。

描けば描くほど、かつて見た夢が遠退いていく。

描いても描いても埋まらないキャンパス。


望んでも望んでも、手に入らない。


忘れてしまった。


悲しむこと。

憤怒すること。

痛むこと。

怖がること。

喜ぶこと。

スベテ…


目をつぶると見える世界。


開くと消えてしまう世界。

初めて見渡した世界。

初めて笑ったのを覚えている。


あまりにその世界が滑稽だったから。


今でも鮮明に覚えてる。


笑い声が世界を揺るがした。


スベテを引きずり込む様にして。


気が付けばシジマのなかに1人佇む。


世界がよく見える。

ずっと美しい。


煩わしいものは消えた。


残るのは僕の高らかな笑い声だけ。


次は何をしよう。


笑うことしか出来ないけど。


笑うことで全ては上手くいく。


誰か聞いて。


誰か聞いたことがあるか?

僕の笑い声を。

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