僕が死んで、初めて君はボクを知る。
会ったこともない。
話をしたこともない。
なのにボクは君を知っていました。
小さな時からずっと知っている。
僕は君のそばにいつもいました。
でも君は僕のことを知りません。
知って欲しいけれど、この声は届かない。
この手では触れられません。
どうしてでしょうか。
まるで見えない壁があるよう。
すぐそばだよ、ここにいるよ。
振り向いて。
ボクが見ているよ。
僕のほうを向いて。
ボクに気がついて。
そう。
そうやって僕をみて。
ああ、やっと気がついてくれた。
君は少し大人びたね。
僕と同じだ。
黒いくせっ毛を何度もとかして。
長いまつげがかわいらしくて。
白い肌によくはえる。
細くて繊細な指先が顔をなぞる。
恥ずかしくて君は目をふせて。
僕が、大丈夫だよっていうと。
笑顔でいってしまった。
その笑顔が好きです。
ずっと一緒にいようよ。
僕がずっと一緒にいてあげる。
お願いだよ。
でも君は離れていった。
行かないで。
僕がここにいるのに。
君が大切にしていた鏡は割れてしまいました。
もう僕はボクをみてくれない。
僕は。
僕が死んで初めて、僕はボクを知った。
死んだのは僕じゃなくて君のほう。
鏡に映ってたのは・・・・
世界で一番愛しい僕。
覚める事のない眠りについた君。
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